エージェント用 IDE を3つ試して、今さら cmux を使い始めた
cmux は少し前に話題になっていたターミナルで、自分もそのとき一度試してみました。ただ、乗り換えるどころか使い始めるところまでも行きませんでした。通知が来たワークスペースがサイドバーの一番上に勝手に並び替わるのが合わなかったですし、当時 tmux で悩んでいた通知まわりのことも cmux にしたからといって解決しませんでした。サイドバーの表示をすっきりさせられることも知らなかったので、そのままやめています。
それから数か月たって、Claude Code を並列に回す道具をあらためて探しました。エージェント用の IDE を3つ試して、結局たどり着いたのが一度やめた cmux でした。
普段は Claude Code のセッションを同時に10本近く立ち上げています。1つの作業に対して複数のセッションを立てることもありますし、コードを変えずに調べるだけのセッションもかなりの数あります。
これまでは tmux の中で動かしていました。入力待ちのセッションを探すために recon という tmux 用のツールを入れたこともあります。以下は cmux 0.65.0(2026年10月時点)で確認した内容です。
エージェント用 IDE を3つ試した
試したのは Orca、T3 Code、Superset の3つで、どれも brew で入ります。
stablyai/orca
pingdotgg/t3code
superset-sh/superset
brew install --cask stablyai/orca/orca
brew install --cask t3-code
brew install --cask superset
最初は Superset がいいかなと思っていました。サイドバーでセッションをグループにまとめる機能は、Orca より Superset のほうが使いやすかったです。ただ、ターミナルのスクロールがガタガタで、製品としてまだ頼りない感じがしました。スクロールの粗さは issue(#5364)にも上がっています。
Orca は多機能ですが、いろいろやりすぎている印象でした。過去のセッションの履歴を見られる機能はちょっと羨ましかったです。
T3 Code はターミナルではなく GUI で Claude Code を動かすツールで、ほかの2つと違ってタブの機能がありません。自分の設定の分け方とも相性が悪かったです。自分は仕事用と個人用で Claude Code の設定ディレクトリ(CLAUDE_CONFIG_DIR)を分けているのですが、T3 Code から起動すると仕事のリポジトリでも個人用の設定で動いていて、Claude の認証エラーも出ました。
3つを触っていて一番引っかかったのは、セッションをまとめる単位が git worktree になっていることでした。グループを作るのもサイドバーに並べるのも、worktree があることが前提の設計に見えました。worktree を勝手に作らない設定自体は、Orca などにもあります。
自分の場合、コードを変えるなら worktree を切ったほうがいいとは思っています。ただ、調べるだけのセッションも多いですし、調査を複数同時に走らせることもあります。それを1セッション1 worktree にすると、仕事のリポジトリは大きくて動かすのに依存パッケージのインストールも要るので、10本近く並べるとディスクを食いすぎます。worktree は必要になったら作るぐらいでよくて、最初から作られなくていいです。
結局 IDE ではなく、ターミナルに戻ってきました。これ tmux で十分じゃないか、と一度は思ったくらいです。
ターミナルに戻ってから何が欲しいのかを考えると、イメージしていたのは Edge などのブラウザにある縦タブでした。セッションが縦に並んでいて、グループにまとめられて、作業中か入力待ちかも分かる、という形です。
tmux に縦タブに当たる機能があるか、似たツールがあるかを調べてもらって、候補に残ったのが herdr と cmux でした。herdr は以前も試しています。左に worktree の一覧があって、それとは別にタブでウィンドウを持つ形になっているのが個人的にいまいちでした。
cmux はワークスペースがサイドバーに縦に並び、グループにもまとめられます。worktree を勝手に作ることもありません。その日のうちに入れて、並べていたセッションを全部 cmux に移しました。
cmux の設定
前回やめた理由だった並び替えは、設定1つで止められました。~/.config/cmux/cmux.json で reorderOnNotification を "off" にすると、通知が来ても並びが変わらなくなります。既定値では、通知が来たワークスペースが上へ移動します。
~/.config/cmux/cmux.json
"app": {
"accentColor": "cmux",
"commandPaletteSearchesAllSurfaces": true,
"reorderOnNotification": "off"
},
サイドバーも、ブランチ・PR・ワークスペースの説明の表示を切って、エージェントの状態と通知のメッセージだけが見えるようにしています。
~/.config/cmux/cmux.json
"sidebar": {
"compactAgentStatus": false,
"showNotificationMessage": true,
"showBranchDirectory": false,
"showPullRequests": false,
"showWorkspaceDescription": false
},
commandPaletteSearchesAllSurfaces はコマンドパレットで全部のタブ(cmux の用語ではサーフェス)を検索できるようにする設定です。最初に試したときは、サイドバーをここまでスッキリさせられることを知りませんでした。
tmux との違い
cmux でやっていることを tmux でできないかというと、全然そんなことはありません。グループは tmux のセッションやウィンドウで作れます。自分の中では、tmux で横に並べていたタブを縦にしたのが cmux、という理解です。
はっきり違うと感じたのは、ターミナルの中でブラウザを開けることで、これは自分の中ではわりと大きいです。
もう1つ、tmux より cmux のほうが Claude Code が他のペインを操作しやすい気がしていました。気のせいか気になったので Claude Code に調べてもらったところ、cmux の内部で何か特別な最適化をしているわけではないそうです。違いは、エージェント向けの道具が本体に同梱されていることでした。
cmux guide(cmux --skill も同じ)で、エージェント向けの手順書が出る。自分の位置を cmux identify --json で調べ、画面を読んでから送り、また読む、という流れまで書いてある
cmux の中のターミナルには CMUX_WORKSPACE_ID と CMUX_SURFACE_ID が入っていて、cmux send や cmux read-screen は対象を省くとそこを使う
別のエージェントには cmux agent message で話しかけられる。ドキュメントには、相手のターミナルに直接打ち込まずにこれを使うよう書いてある
画面を読む read-screen は tmux の capture-pane -p と、送る send / send-key は send-keys と同じことをしているそうです。tmux だと他のペインの指定先はエージェントが自分で調べることになるので、違いはそこを迷わずに済むところだ、というのが調べてもらった結論でした。
まだ慣れていないところ
不満がないわけではありません。一番困っているのは未読の扱いです。作業が終わったワークスペースには青い未読の印が付くのですが、そのワークスペースを開くと消えてしまいます。一度覗いてそのまま別の作業に移ると、どこで何をすればいいのかをまだ見失います。
青い表示には未読以外の意味もあります。Claude Code に調べてもらったところ、ターンが終わったあとも、裏で待ち処理を動かしているセッションは青い Waiting のまま残るそうです。色だけでは見分けられず、アイコンや文字で判断する必要があります。
ショートカットや名前にもまだ慣れていません。cmux はウィンドウの中にワークスペース、その中にペイン、ペインの中にサーフェスという階層で、tmux の呼び方とは違います。慣れないので、サーフェスの作り方や移動、コピーモードでの範囲選択など、cmux 固有の操作を早見表にまとめました。
完全に移行したわけではなく、tmux もまだ使っています。
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Mentions
エージェント用 IDE を3つ試して、今さら cmux を使い始めた cmux は少し前に話題になっていたターミナルで、自分もそのとき一度試してみました。ただ、乗り換えるどころか使い始めるところまでも行きませんでした。通知が来たワークスペースがサイドバーの一番上に勝手に並び替わるのが合わなかったですし、当時 tmux で悩んでいた通知まわりのことも cmux にしたからといって解決しませんでした。サイドバーの表示をすっきりさせられることも知らなかったので、そのままやめています。 それから数か月たって、Claude Code を並列に回す道具をあらためて探しました。エージェント用の IDE を3つ試して、結局たどり着いたのが一度やめた cmux でした。 普段は Claude Code のセッションを同時に10本近く立ち上げています。1つの作業に対して複数のセッションを立てることもありますし、コードを変えずに調べるだけのセッションもかなりの数あります。 これまでは tmux の中で動かしていました。入力待ちのセッションを探すために recon という tmux 用のツールを入れたこともあります。以下は cmux 0.65.0(2026年10月時点)で確認した内容です。 エージェント用 IDE を3つ試した 試したのは Orca、T3 Code、Superset の3つで、どれも brew で入ります。 stablyai/orca pingdotgg/t3code superset-sh/superset brew install --cask stablyai/orca/orca brew install --cask t3-code brew install --cask superset 最初は Superset がいいかなと思っていました。サイドバーでセッションをグループにまとめる機能は、Orca より Superset のほうが使いやすかったです。ただ、ターミナルのスクロールがガタガタで、製品としてまだ頼りない感じがしました。スクロールの粗さは issue(#5364)にも上がっています。 Orca は多機能ですが、いろいろやりすぎている印象でした。過去のセッションの履歴を見られる機能はちょっと羨ましかったです。 T3 Code はターミナルではなく GUI で Claude Code を動かすツールで、ほかの2つと違ってタブの機能がありません。自分の設定の分け方とも相性が悪かったです。自分は仕事用と個人用で Claude Code の設定ディレクトリ(CLAUDE_CONFIG_DIR)を分けているのですが、T3 Code から起動すると仕事のリポジトリでも個人用の設定で動いていて、Claude の認証エラーも出ました。 3つを触っていて一番引っかかったのは、セッションをまとめる単位が git worktree になっていることでした。グループを作るのもサイドバーに並べるのも、worktree があることが前提の設計に見えました。worktree を勝手に作らない設定自体は、Orca などにもあります。 自分の場合、コードを変えるなら worktree を切ったほうがいいとは思っています。ただ、調べるだけのセッションも多いですし、調査を複数同時に走らせることもあります。それを1セッション1 worktree にすると、仕事のリポジトリは大きくて動かすのに依存パッケージのインストールも要るので、10本近く並べるとディスクを食いすぎます。worktree は必要になったら作るぐらいでよくて、最初から作られなくていいです。 結局 IDE ではなく、ターミナルに戻ってきました。これ tmux で十分じゃないか、と一度は思ったくらいです。 ターミナルに戻ってから何が欲しいのかを考えると、イメージしていたのは Edge などのブラウザにある縦タブでした。セッションが縦に並んでいて、グループにまとめられて、作業中か入力待ちかも分かる、という形です。 tmux に縦タブに当たる機能があるか、似たツールがあるかを調べてもらって、候補に残ったのが herdr と cmux でした。herdr は以前も試しています。左に worktree の一覧があって、それとは別にタブでウィンドウを持つ形になっているのが個人的にいまいちでした。 cmux はワークスペースがサイドバーに縦に並び、グループにもまとめられます。worktree を勝手に作ることもありません。その日のうちに入れて、並べていたセッションを全部 cmux に移しました。 cmux の設定 前回やめた理由だった並び替えは、設定1つで止められました。~/.config/cmux/cmux.json で reorderOnNotification を "off" にすると、通知が来ても並びが変わらなくなります。既定値では、通知が来たワークスペースが上へ移動します。 ~/.config/cmux/cmux.json "app": { "accentColor": "cmux", "commandPaletteSearchesAllSurfaces": true, "reorderOnNotification": "off" }, サイドバーも、ブランチ・PR・ワークスペースの説明の表示を切って、エージェントの状態と通知のメッセージだけが見えるようにしています。 ~/.config/cmux/cmux.json "sidebar": { "compactAgentStatus": false, "showNotificationMessage": true, "showBranchDirectory": false, "showPullRequests": false, "showWorkspaceDescription": false }, commandPaletteSearchesAllSurfaces はコマンドパレットで全部のタブ(cmux の用語ではサーフェス)を検索できるようにする設定です。最初に試したときは、サイドバーをここまでスッキリさせられることを知りませんでした。 tmux との違い cmux でやっていることを tmux でできないかというと、全然そんなことはありません。グループは tmux のセッションやウィンドウで作れます。自分の中では、tmux で横に並べていたタブを縦にしたのが cmux、という理解です。 はっきり違うと感じたのは、ターミナルの中でブラウザを開けることで、これは自分の中ではわりと大きいです。 もう1つ、tmux より cmux のほうが Claude Code が他のペインを操作しやすい気がしていました。気のせいか気になったので Claude Code に調べてもらったところ、cmux の内部で何か特別な最適化をしているわけではないそうです。違いは、エージェント向けの道具が本体に同梱されていることでした。 cmux guide(cmux --skill も同じ)で、エージェント向けの手順書が出る。自分の位置を cmux identify --json で調べ、画面を読んでから送り、また読む、という流れまで書いてある cmux の中のターミナルには CMUX_WORKSPACE_ID と CMUX_SURFACE_ID が入っていて、cmux send や cmux read-screen は対象を省くとそこを使う 別のエージェントには cmux agent message で話しかけられる。ドキュメントには、相手のターミナルに直接打ち込まずにこれを使うよう書いてある 画面を読む read-screen は tmux の capture-pane -p と、送る send / send-key は send-keys と同じことをしているそうです。tmux だと他のペインの指定先はエージェントが自分で調べることになるので、違いはそこを迷わずに済むところだ、というのが調べてもらった結論でした。 まだ慣れていないところ 不満がないわけではありません。一番困っているのは未読の扱いです。作業が終わったワークスペースには青い未読の印が付くのですが、そのワークスペースを開くと消えてしまいます。一度覗いてそのまま別の作業に移ると、どこで何をすればいいのかをまだ見失います。 青い表示には未読以外の意味もあります。Claude Code に調べてもらったところ、ターンが終わったあとも、裏で待ち処理を動かしているセッションは青い Waiting のまま残るそうです。色だけでは見分けられず、アイコンや文字で判断する必要があります。 ショートカットや名前にもまだ慣れていません。cmux はウィンドウの中にワークスペース、その中にペイン、ペインの中にサーフェスという階層で、tmux の呼び方とは違います。慣れないので、サーフェスの作り方や移動、コピーモードでの範囲選択など、cmux 固有の操作を早見表にまとめました。 完全に移行したわけではなく、tmux もまだ使っています。
@pivi___ @alex_bsn_off @orca_build @melvynx si tu veux un produit plus mature essaie plutôt stablyai/orca et superset-sh/superset
@mogi098 superset-sh/superset 재미로 이런거는 한번쯤 써봐보도 재밋을거갘은데 저는 음.. 진짜 orca 를 사랑하나봄
Let's bring some color to @superset_sh Added a new section for your project! superset#8436 t.co