geelen

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  1. Kiro から Backlog・Chat・ドライブを横断検索できるようにしてみた(公式MCP) ! 2026年10月時点の情報です。Google Workspace の MCP サーバーはデベロッパー プレビュー段階のため、仕様や手順は今後変わる可能性があります。 はじめに 日本瓦斯株式会社の子会社である、株式会社雲の宇宙船で社内SEをしている瀬沼です。 抱えていた課題 仕事を進めていく中で、1つの問い合わせや作業のために、複数のサービスを行き来して情報を集めることがよくあります。 依頼の内容や経緯は Backlog 関連する資料や手順書は Google ドライブ 担当者とのやり取りは Google Chat ベンダーさんや社外との連絡は Gmail それぞれのサービスで検索して、必要な情報を探すだけでも時間がかかります。さらに、別々に調べた情報を 自分の手でつなぎ合わせたり、食い違いがないか照合したり する必要があり、ここにも手間がかかっていました。 やったこと そこで、Kiro(デスクトップ版 IDE)から、Google Chat・Gmail・Google ドライブ・Google カレンダー・Backlog を直接扱えるようにしました。 Google Workspace は Google 公式の MCP サーバー、Backlog は Nulab 公式の backlog-mcp-server を使っています。 楽になったこと 複数のサービスをまたいだ調べものを、Kiro にまとめて頼めるようになりました。 Before After サービスごとに画面を開いて、それぞれ検索する Kiro に1回頼むだけで、横断して探してくれる 調べた情報を自分でつなぎ合わせ、照合する 複数のサービスの情報を突き合わせて、まとめた形で返してくれる たとえば、次のような頼み方ができます。 「この Backlog の課題について、Google Chat でどんなやり取りがあったかまとめて」 「〇〇の件で、ドライブにある手順書と、Backlog の過去の対応を突き合わせて」 「今日の予定と、自分が担当している Backlog の課題をまとめて」 実際に、Kiro の制約と OAuth まわりで何か所か詰まったので、設定の流れと詰まったところをまとめます。 構成 Kiro(デスクトップ版 IDE) ├─ mcp-remote(PC 上で起動)── OAuth ──→ Google Workspace MCP(4サービス) └─ backlog-mcp-server(PC 上で起動)── API キー ──→ Backlog サービス MCP サーバー Google Chat chatmcp.googleapis.com Gmail gmailmcp.googleapis.com Google ドライブ drivemcp.googleapis.com Google カレンダー calendarmcp.googleapis.com Backlog backlog-mcp-server(PC 上で起動) 前提条件 Google Workspace のアカウント(Gmail アドレスは不可) Google Cloud のプロジェクト Google Workspace デベロッパー プレビュー プログラムへの参加 Node.js(mcp-remote と backlog-mcp-server で使います) Backlog の API キー(個人設定から発行) プレビュープログラムは、Google Workspace のアカウントと Google Cloud のプロジェクト番号を申請フォームで登録します。私の場合は、申請した当日のうちに承認メールが届きました(公式には「数日、1週間連絡がなければ問い合わせ」とされています)。 ! プレビュー規約には、プレビュー API で送受信したデータを Google が API の改善などに利用することがある、という条項があります。業務で使う場合は、扱うデータの範囲を社内で決めておくのがおすすめです。私も上長の許可を得て、社内の確認を経てから導入しています。 1. Google Cloud 側の設定 API を有効にする 使うサービスごとに、通常の API と MCP 用の API の両方を有効にします。 gcloud services enable \ chat.googleapis.com chatmcp.googleapis.com \ gmail.googleapis.com gmailmcp.googleapis.com \ drive.googleapis.com drivemcp.googleapis.com \ calendar-json.googleapis.com calendarmcp.googleapis.com \ --project=<PROJECT_ID> OAuth 同意画面を作る Google Auth Platform で同意画面を作成します。社内だけで使うなら、対象は 「内部」 にします。組織外のアカウントでは認証できなくなるので、安心して使えます。 データアクセスには、使うサービスのスコープを登録します(いずれも googleapis.com 配下)。 サービス スコープ Chat chat.spaces.readonly chat.memberships.readonly chat.messages.readonly chat.messages.create chat.users.readstate Gmail gmail.readonly gmail.compose ドライブ drive.readonly drive.file カレンダー calendar.calendarlist.readonly calendar.events.freebusy calendar.events.readonly Chat アプリを構成する(Chat を使う場合) Google Chat API の「構成」で、アプリ名(例:Chat MCP)を入れ、インタラクティブ機能をオフにして保存します。 最初は「書き込みをするときだけ必要」と読み違えていましたが、Chat MCP を使うのであれば設定が必須になります。 OAuth クライアントを作る 種類は「ウェブアプリケーション」です。 作成画面にある 「Use this client for an AI-powered agent」 にはチェックを入れます。AI エージェントが使うクライアントであることを申告する項目で、Workspace の MCP サーバーの中には、このチェックが入ったクライアントからの呼び出ししか受け付けないものがある、と Google のヘルプに書かれています。 承認済みのリダイレクト URI には、mcp-remote が使うコールバックを サービスごとに 登録します(ポート番号は後述の mcp.json と揃えます)。 127.0.0.1 # Google Chat 127.0.0.1 # Gmail 127.0.0.1 # Google ドライブ 127.0.0.1 # Google カレンダー 2. Kiro × Google Workspace mcp-remote を挟む理由 Kiro もリモートの MCP サーバーと OAuth に対応していますが、ドキュメントによると IDE 版は「シークレットを使わない公開クライアント」にしか対応していません(シークレットを指定できるのは CLI 版のみ)。 Google の「ウェブアプリケーション」のクライアントはトークンの交換でシークレットが必要なので、IDE 版から直接はつながりません。 そこで、Node.js 製の中継ツール mcp-remote をローカルの MCP サーバーとして起動し、OAuth は mcp-remote に任せる形にしました。 Kiro ── stdio ──→ mcp-remote(PC 上)── OAuth ──→ Google Workspace MCP 認証情報をファイルに分ける クライアント ID・シークレットとスコープは、JSON ファイルに分けて mcp-remote に渡します。 Windows では、引数にスペースが入ると正しく渡らないことがあり、スペース区切りのスコープを直接書くと失敗しやすいためです。 %USERPROFILE%.mcp-auth-config\client_info.json {"client_id":"<クライアントID>","client_secret":"<クライアントシークレット>"} %USERPROFILE%.mcp-auth-config\chat_client_metadata.json {"scope":"googleapis.com googleapis.com googleapis.com googleapis.com googleapis.com"} Gmail・ドライブ・カレンダーも、同じ形でスコープのファイルを作ります。クライアント情報のファイルは共用で大丈夫です(ファイル名は任意です)。 メモ帳で手打ちすると打ち間違いが起きやすいので、PowerShell で書き出すのがおすすめです。[IO.File]::WriteAllText なら BOM なしで保存されます。 Gmail [IO.File]::WriteAllText("$env:USERPROFILE.mcp-auth-config\gmail_client_metadata.json", '{"scope":"googleapis.com googleapis.com"}') ドライブ [IO.File]::WriteAllText("$env:USERPROFILE.mcp-auth-config\drive_client_metadata.json", '{"scope":"googleapis.com googleapis.com"}') カレンダー [IO.File]::WriteAllText("$env:USERPROFILE.mcp-auth-config\calendar_client_metadata.json", '{"scope":"googleapis.com googleapis.com googleapis.com"}') Kiro の mcp.json %USERPROFILE%.kiro\settings\mcp.json に、サービスごとに mcp-remote を登録します。 ポート番号はサービスごとに分けます。 同じポートにすると、同時に起動したときに競合します。 mcp.json(Google Chat の例) { "mcpServers": { "google-chat": { "command": "npx", "args": [ "-y", "mcp-remote", "chatmcp.googleapis.com", "7778", "--static-oauth-client-info", "@C:/Users/<ユーザー名>/.mcp-auth-config/client_info.json", "--static-oauth-client-metadata", "@C:/Users/<ユーザー名>/.mcp-auth-config/chat_client_metadata.json" ] } } } 4サービス分の設定例(Gmail 7779 / ドライブ 7780 / カレンダー 7781) mcp.json { "mcpServers": { "google-chat": { "command": "npx", "args": ["-y", "mcp-remote", "chatmcp.googleapis.com", "7778", "--static-oauth-client-info", "@C:/Users/<ユーザー名>/.mcp-auth-config/client_info.json", "--static-oauth-client-metadata", "@C:/Users/<ユーザー名>/.mcp-auth-config/chat_client_metadata.json"] }, "gmail": { "command": "npx", "args": ["-y", "mcp-remote", "gmailmcp.googleapis.com", "7779", "--static-oauth-client-info", "@C:/Users/<ユーザー名>/.mcp-auth-config/client_info.json", "--static-oauth-client-metadata", "@C:/Users/<ユーザー名>/.mcp-auth-config/gmail_client_metadata.json"] }, "google-drive": { "command": "npx", "args": ["-y", "mcp-remote", "drivemcp.googleapis.com", "7780", "--static-oauth-client-info", "@C:/Users/<ユーザー名>/.mcp-auth-config/client_info.json", "--static-oauth-client-metadata", "@C:/Users/<ユーザー名>/.mcp-auth-config/drive_client_metadata.json"] }, "google-calendar": { "command": "npx", "args": ["-y", "mcp-remote", "calendarmcp.googleapis.com", "7781", "--static-oauth-client-info", "@C:/Users/<ユーザー名>/.mcp-auth-config/client_info.json", "--static-oauth-client-metadata", "@C:/Users/<ユーザー名>/.mcp-auth-config/calendar_client_metadata.json"] } } } 保存すると Kiro が読み込み、サービスごとにブラウザが開くので、Google アカウントで許可します。 詰まったところ ① ツールを呼ぶと、しばらく待たされて中断される Kiro から Chat のスペースを検索しようとしたところ、50秒〜3分ほど待たされたあと、次のように中断されました。 This tool was interrupted before it reported a result 原因は、OAuth の認証が終わっていなかったことです。mcp-remote は、認証が済んでいないとブラウザでの許可を待ち続けるので、Kiro からはエラーではなく「待たされて中断される」ように見えます。 ブラウザの許可画面が開いていないか、開いたけれど次のエラーで失敗していないかを確認します。 ② invalid_client(The OAuth client was not found) Google のログイン画面で「アクセスをブロック:認証エラーです」と出ました。 Error 401: invalid_client The OAuth client was not found. エラー画面の URL を見ると、client_id= の値の前後に全角のカッコ(%EF%BC%88 と %EF%BC%89)が付いていました。手順のメモに書いていた「(クライアントID)」のカッコを消し忘れていたのが原因です。シークレットの欄にも、仮の文字列が残っていました。 ! エラー画面のアドレスバーの client_id= を見ると、実際に送られた値が分かります。 原因の特定に一番役立ちました。 ③ 設定を直しても同じエラーが出る mcp-remote は、初回の接続で使ったクライアント情報やトークンを %USERPROFILE%.mcp-auth\ に保存し、次からはそれを使い回します。 設定ファイルを直したら、Kiro を終了し、このフォルダを消してから起動し直します。 Remove-Item -Recurse -Force "$env:USERPROFILE.mcp-auth" ④ Node のプロセスを止めたら、ほかの MCP まで止まった 裏で mcp-remote のプロセスが残っていると、古い設定のまま動き続けることがあります。 そこで Get-Process node | Stop-Process で止めたところ、同じ PC で動いていたほかのツールの MCP サーバー(Claude デスクトップの Backlog MCP)まで一緒に止まりました。どちらも Node.js で動いているためです。 止めるときは、まず Kiro やほかの AI ツールを終了してから行うのが安全です。 ⑤ redirect_uri_mismatch mcp-remote は、コールバックを localhost ではなく 127.0.0.1 で受け取ります。 Error 400: redirect_uri_mismatch The redirect URI in the request, 127.0.0.1, does not match the ones authorized for the OAuth client. そのため、リダイレクト URI は 127.0.0.1 のように、ポートごとに1つずつ登録する必要があります。私はカレンダー(7781)の登録を忘れていて、同じエラーをもう一度踏んでしまいました。 エラーの詳細に実際の redirect_uri が表示されるので、それをそのまま登録するのが確実です。登録してもすぐには反映されないことがあり、私の環境では保存後しばらく待つと通りました。 3. Kiro × Backlog Backlog は、Nulab 公式の backlog-mcp-server をローカルの MCP サーバーとして起動します。認証は OAuth ではなく API キーなので、Google と比べて手順はシンプルです。 mcp.json の mcpServers に、次のブロックを追加します。 mcp.json(追加分) "backlog": { "command": "npx", "args": ["-y", "backlog-mcp-server"], "env": { "BACKLOG_DOMAIN": "<スペースID>.backlog.com", "BACKLOG_API_KEY": "<APIキー>" }, "disabled": false } 必要に応じて、環境変数 ENABLE_TOOLSETS で有効にするツールの種類を絞れます(指定できる値は README を参照)。使わないツールを減らしておくと、AI がツールを選び間違えにくくなります OAuth がないぶん、Google のような詰まりどころはありませんでした。 ! 同じ backlog-mcp-server の設定は、Claude デスクトップ(claude_desktop_config.json)でもそのまま使えます。 4. 運用で気をつけていること ツールの数が増えすぎる。 MCP サーバーごとにツールがまとめて追加されるので、全部有効にしたところ Kiro から「89個のツールが有効」と警告が出ました。普段使わないサーバーは "disabled": true にして、必要なときだけ有効にしています 認証情報が PC に平文で残る。 クライアントシークレットと Backlog の API キーは設定ファイルに、トークンは .mcp-auth に保存されます。端末を紛失したときは、シークレットの無効化、トークンの取り消し、API キーの削除をする前提にしています Backlog の API キーは、発行した人と同じ権限を持つ。 AI が課題を更新・削除できるツールもあるので、ENABLE_TOOLSETS で絞り、更新系の操作は内容を確認してから実行させています 権限は最小限にする。 Google の許可画面では、Chat のスペース作成やメッセージ削除など、かなり広い権限を求められます。スコープは必要なものだけに絞っています パッケージのバージョンを固定する。 npx -y は起動のたびに最新版を取得するので、チームで使うならバージョンを固定したほうが安全です チャットに認証情報を貼らない。 設定のトラブルを AI に相談するとき、設定ファイルをそのまま貼るとシークレットや API キーも一緒に渡ってしまいます。貼る前に * で伏せる習慣をつけておきます まとめ Google Workspace の公式 MCP サーバーは、プレビュープログラムに参加すれば Kiro から使えます Kiro の IDE 版は公開クライアントにしか対応していないので、mcp-remote を挟んで OAuth を通します Backlog は公式の backlog-mcp-server を使えば、API キーだけで使えます 詰まったときは、エラー画面の URL(client_id や redirect_uri)、mcp-remote のキャッシュ(.mcp-auth)、そもそも認証が終わっているかを見ると原因を絞り込めます Chat・メール・ドライブ・カレンダー・課題管理を1つの AI から横断して扱えるようになると、「あの件どうなってたっけ」を探す時間がかなり減ります。同じことを試す方の参考にしていただければと思います。 参考 Configure the Google Workspace MCP servers Chat MCP サーバーを構成する Google Workspace デベロッパー プレビュー プログラム Kiro: MCP Configuration geelen/mcp-remote nulab/backlog-mcp-server Manage OAuth Clients(Google Cloud ヘルプ) 本記事の内容は個人の見解であり、所属組織の公式見解ではありません。記事内のプロジェクト ID・クライアント ID・ユーザー名などの識別情報は伏せて記載しています。 ※ 本記事に記載されている会社名、システム名、製品名、サービス名等は、各社の商標または登録商標です。(Google Workspace、Google Chat、Gmail、Google ドライブ、Google カレンダーは Google LLC の商標です。Backlog は株式会社ヌーラボの登録商標です。)

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